栄養指導 薬膳

中国の伝統医学では、食べ物を自然の生薬として捉えており、その特別なエネルギー特性により、健康や病気を決定づけるものとされています。

食事療法つまり薬膳は他の治療法と同じ原理であり、それは長い歴史を持つ漢方薬の豊富な経験から成り立っています。薬膳は、食材の温度(熱、温、常温、冷、寒)と味(酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(しおからみ)、中性)に基づいており、体内での作用の方向(上昇と下降、求心性、遠心性、)と、陰と陽のバランスを整えることを目的とした、五行説を概念としています。この五行では、5つの要素を「相性」と「相剋」の関係で変化させながら調整すると考えます。

当院では、私が重視しているこの薬膳の知識を、栄養相談として個別に診断し、一人一人に合わせた栄養指導をしております。中医学の栄養学は、鍼灸のようにWHOに認められているわけではなく、ドイツでは補完代替医療として分類することができます。

人間の健康のために特に重要なことは、バランスのとれた腸、正しい代謝システム、反応性のある免疫システムの3つです。したがって、これらの基本機能を回復させることが、持続的に効果をもたらす治療の実際の基礎となるはずです。ここにこそ、西洋自然療法の知見と従来の医学的診断との組み合わせが適切であると言えます。また、現代多くあらわれる"文明の病気"(糖尿病、循環器系、食物不耐症または "ヒスタミン不耐症"、慢性疲労症候群、皮膚の変化など)の治療においても効果があります。

私の補完代替医療としての治療法は、自然界の生物や人体といった、あらゆる事象のバランスを整えることを目的とした自然療法を目指すものですが、また一方では現代のエビデンスに基づいた診断、例えば検査ラボなどを使用するというような新たな可能性も含まれています。